鍵のトラブル予防法

鍵の管理に気をつける

鍵トラブルを防止するには、普段鍵をどのように管理していくかが重要です。まず、家のどこに鍵を置くか、かばんのどこに鍵を入れるかを決め、それ以外の場所には置いたり入れたりしないように心がけましょう。間違っても自宅のポストなど、第三者に触れられる可能性のある場所には絶対に置かないように注意してください。

たとえばポストに鍵を入れているところを悪意のある人間が見ていれば、その合カギで簡単に自宅に入られてしまいます。また、スペアキーは2本用意しておくとよいでしょう。マスターキーは家で厳重に保管、1本目のスペアキーをメインで使用、2本目のスペアキーは1本目と別の場所に入れて持ち歩きます。こうしておけば、万が一鍵を無くしてしまっても、どちらか一方の鍵を使って家に入ることが可能です。近くに家族や信頼できる友人などが住んでいるようであれば、2本目のスペアキーを預けておくのもよいでしょう。

特に賃貸物件に住んでいる場合には、必ずスペアキーを作成してください。理由は、部屋の鍵が入居時に渡された1本しかないというケースが稀にあるためです。1本しかない鍵を無くしてしまうと、場合によっては鍵を丸ごと賠償するよう管理会社から要求されることがあります。

鍵を長年使わない

鍵を長年使っていると金属疲労を起こすため、鍵のトラブルが起こりやすくなります。金属疲労を起こした鍵は先端が折れやすくなり、鍵穴の中に折れた部分が残ってしまうこともあります。特に古い車の合カギは厚みが薄く、折れやすいので注意しましょう。また、シリンダー内部でも部品の劣化やホコリなどによる汚れが蓄積されることで、不具合が生じる可能性が高くなります。

一般的に10年以上前の古い鍵を使っていると、トラブルの原因になる可能性があります。古い鍵は簡単にピッキングに遭いやすい傾向があり、鍵そのものを破壊されてしまう危険性も非常に大きくなります。目安として、10年から15年ごとに新しい鍵への交換を検討するとよいでしょう。たとえ同じグレードの鍵に交換したとしても、防犯性能は確実に向上しています。もちろん、防犯性の高い鍵への交換も選択肢に入れて検討するのがおすすめです。

金庫の鍵トラブル予防法

金庫の鍵トラブルで案外多いのが、金庫内に物をつめすぎることによるトラブルです。急に鍵が開かなくなり、調べてみたら物の詰め過ぎが原因だったというケースは珍しくありません。意識していなくても、気付いたら書類でパンパンになっていたということもありますので、常に整理整頓を心がけるようにしましょう。また、暗証番号を忘れてしまったときのために、番号を記したメモの予備を作成し、そのメモも大切に保管するといざという時に役立ちます。

あらかじめスペアキーを作っておくことも、金庫の鍵トラブル予防には効果的です。ただし、金庫のスペアキーを紛失した場合は、すぐに金庫の鍵を交換しましょう。会社の機密情報など、重要度の高い資料などを入れている場合には、従業員の不正によって情報が漏えいすることがないよう、指紋認証の鍵などにあらかじめ交換しておくとよいでしょう。

鍵のお手入れ方法

鍵をこまめにメンテナンスすれば、トラブルを防止することができます。また、鍵を長持ちさせることも可能です。普段あまり気にならないかと思いますが、鍵は思いのほか汚れています。この汚れやゴミなどが原因でトラブルが発生することもありますので、できる限りキレイに使いましょう。

古い歯ブラシが家にあれば、溝や凹凸がある部分のほこりやゴミを歯ブラシで取り除いてください。近年広く利用されている防犯性の高いディンプルキーは構造上、特にゴミやほこりがたまりやすくなっていますので、こまめなお掃除をおすすめします。お掃除をしたあとは、鉛筆の芯を鍵の溝と凸凹に塗りましょう。鉛筆の芯には、鍵穴用の潤滑剤として使用されている黒鉛が含まれていており、それを塗ることで潤滑剤のかわりになります。ちなみに鉛筆の中でも、黒鉛が多く含まれているBなど、濃いめの芯を使うのがベストです。

また、鍵穴もできる限りお掃除してください。掃除機やエアダスターを使うと簡単です。掃除機の先端ノズルやエアダスターのエアーを左右から吹きかけて、ゴミやホコリを取り除きましょう。一通り手入れが終わったら、スムーズに鍵の開け閉めができるか確認してください。その際差し込みにくかったり、回りにくかったりする場合には、鍵専用の潤滑剤を鍵穴に使って様子をみましょう。市販の潤滑剤で構いませんが、使い過ぎには注意してください。

鍵トラブルにおいて絶対にやってはいけないこと

鍵トラブルの際、つい私たちがやってしまいがちなことは、回らない、抜けない鍵を強引に回そうとしたり、引き抜こうとしたりすることです。このような強引な対処が原因で、鍵の一部が折れて鍵穴の中に残ったり鍵穴が破損したりと、より大きなトラブルへ発展してしまいます。また、鍵が入りづらいからといって、食用油などを鍵穴にさしてはいけません。鍵穴にはゴミやホコリなどの汚れがたまっていることが多く、そこに食用油のような固まり易い油を入れると大きなゴミの塊ができてしまいます。これは錆びの原因にもなり得ます。

食用油以外にも、シリコン、アルコールが含まれた油は、同様の理由で鍵穴に使用できません。一般的に市販されている潤滑油でも、鍵専用のもの以外は使わないようにしましょう。こういった油は、どれも鍵穴を傷める原因となります。つまようじや針金を使って、鍵穴のゴミを取ろうとしてトラブルになるケースもよく見られます。中で先端が折れて取れなくなり、鍵穴を傷める結果を招きますので絶対にやらないようにしましょう。