物象形錠の紹介

動物などをモチーフにして形状デザインされている、極めて装飾性が高い錠前を「物象形錠」と言います。基本的には、古代において製造・使用されていたものを指しており、その動物にリアルに似せたものや、抽象的なデザインのものなど、色々な錠前が世界各地にて見られます。

古代において、このような錠前が製造・使用された理由については、たとえば、その建物などの所有者のグレード(身分)や、門や家屋・倉庫などの造作・雰囲気に見合ったデザインの錠前を取付けたことや、厄難が生じないように縁起の良いとされる動物や魔除けに効果があるとされる動物のデザインを錠前に施したこと、そして、錠前を不正解錠しようとする者達に対して警告的なメッセージを込めたことなどが推察されます。

なお、物象形錠については、高貴な身分の人達に使用されていたとされるライオン型や、縁起が良いとされていた亀やコウモリを模したもの、そして、不正解錠への警告メッセージを込めたサソリ型など、様々なタイプの錠前が世界各地にて発見されています。

ちなみに動物の他にも、獅子や龍といった想像上の架空の生き物をかたどったものや、楽器を模したものなど、バラエティに富んだデザインの錠前があります。